プロジェクト

SIPリグニンについて

リグニンは植物系バイオマスの約20~35%を占める細胞壁の主成分の一つです。私達は、リグニンを有効利用する技術を開発する事で、新たな産業創出と地方創生への貢献を考えています。さて、国内で最大量の未利用バイオマスは、農山村地域で年間約2000万m3発生する林地残材といわれています。林地残材においても、その約30%はリグニンですが、その利活用はなされていません。そこで私達は、林地残材の収集からリグニンの製造、加工、機能化、最終製品化、副産物利用を含め、農山村のバイオマスを原料とした一連の技術を総合的に開発することで、地域に高収益をもたらす「リグニン産業」という新たなビジネス基盤の確立を目標とした取り組みを開始しました。この取り組みは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「次世代農林水産業創造技術」の中で「地域のリグニン資源が先導するバイオマス利用システムの技術革新」と題して研究課題化されました。私達はそれを担当するため、産学官30機関(研究法人:5、大学:8、民間企業:17)による研究コンソーシアム「地域リグニン資源システム共同研究機関(SIPリグニン)」を結成しました。SIPリグニンのコンセプトは、その担当課題名「地域のリグニン資源が先導するバイオマス利用システムの技術革新」に集約されています。地域のリグニン資源こそがバイオマス利用システムを先導するとの意気込みの元、研究開発を行っています。

研究課題名

地域のリグニン資源が先導するバイオマス利用システムの技術革新

コンソーシアム名

地域リグニン資源システム共同研究機関(SIPリグニン)

研究代表者氏名及び所属

山田竜彦(国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所)

研究実施期間

平成26年度~30年度(5年間)

研究の趣旨・概要

リグニンは植物系バイオマスの約20~35%を占める細胞壁の主成分の一つで、農山村地域で年間約2000万m3発生する林地残材においても、その約30%はリグニンであるが、その利活用は全くなされていない。そこで当課題では、林地残材の収集から機能性を付与した改質リグニンの製造、加工、機能化、最終製品化、副産物利用を含め、農山村のバイオマスを原料とした一連の技術を総合的に開発することで、地域に高収益をもたらす「リグニン産業」という新たなビジネス基盤を確立する。ここでは、改質リグニンを効率的に製造する技術の確立と、地域の粘土等の無機材料との組み合せによるハイブリッド材料の開発と共に、新たな分解手法による基盤化合物群の創製と、それを基にしたエンジニアリング材料の開発を行う。また、副産する多糖類の利用法開発を行うと共に、開発した技術を元にした新産業の地域への効果を評価して、技術の社会実装を現実的なものとする。
>リグニンの利活用

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研究項目及び実施者

(1)林地残材からの改質リグニンの製造と安定供給技術の開発

森林総合研究所、名古屋大学、筑波大学、秋田県立大学、ハリマ化成(株)、京都大学、(株)諸岡、(株)ドーコン、トクラス(株)、ユニチカ(株)、新日鉄住金エンジニアリング(株)、マナック(株)、日本乳化剤(株)

(2)リグニン―粘土ハイブリッドマテリアルの開発

産業技術総合研究所、東京工科大学、静岡理工科大学、クニミネ工業(株)、ジャパンマテックス(株)、(株)宮城化成、住友精化(株)、(株)瑞穂、大崎電気工業(株)

(3)高効率リグニン分解・基盤化合物製造とエンジニアリングポリマーの開発

京都府立大学、理化学研究所、三菱ケミカル(株)

(4)副産多糖類の高度利用技術の開発

国際農林水産業研究センター、農研機構食品研究部門、京都工芸繊維大学、(株)武蔵野化学研究所、ネオマテリア(株)

期待される成果、効果

林地残材の収集から改質リグニン製造、加工、機能化、最終製品化、副産物利用を含め、農山村のバイオマスを原料とした一連の高度リグニン利用技術を開発することで、農山村バイオマスの価値に高いリグニンの価値が付加されて、地域に高収益をもたらす新規ビジネス基盤が確立される。